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村田沙耶香さんの小説、タダイマトビラのラストが凄まじかった。(ネタバレあり)

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どうも、ちゃんよつです。

このタダイマトビラは「コンビニ人間」で芥川賞を受賞された村田沙耶香さんの作品です。

僕はコンビニ人間しか村田さんの作品を読んだ事がなかったので読んでみたのですが、読み終わった後はなんか見てはいけないものを見たようなそんな感覚に陥りました。笑

しかし心にしっかりと存在感を残していった作品でもありました。

*ここから先はネタバレを含みます。お気をつけを*

タダイマトビラ

あらすじ

母性の欠けた母親のもとで育った少女、恵奈は「カゾクヨナニー」という密かな行為で、抑えきれない家族欲を解消していた。高校に入り、家を逃れて恋人と同棲を始めたが、お互いを家族欲の対象に貶め合う生活は恵奈にはおぞましい。人が帰る所は本当に家族なのだろうか?「おかえり」の懐かしい声のするドアを求め、人間の想像力の向こう側まで疾走する自分探しの物語。
タダイマトビラ裏表紙より引用

カゾクヨナニーとは?

恵奈の母親は母性が欠けていて、子どもを可愛がるという事が理解できません。

そんな環境で育った恵奈は人一倍家族欲が強い子に育ち、恋愛小説を読みながら、いつか本当に好きな人と本当の家族を手に入れることを夢見て過ごします。

そんな中膨らんでいく家族欲を処理するために恵奈が考えたのがカゾクヨナニーです。

ニナオと名付けたカーテンと窓の間にて行われる、このカゾクヨナニーという発想が凄い。そして描写もすごい濃い。

僕が子どもの頃にやっていたカーテンに巻きつく遊びとは訳が違いますw

突き刺さるフレーズ

今作品においても村田さんのエッジの効いた言葉にやられます。
いくつか紹介しますと、

きっと脳は、私をとても愛情深く育てられた子供だと思っているだろう。そのことが楽しくて仕方がなかった。

家族というのは、脳でできた精神的建築物なのだな、とつくづく思った

力が抜けた膝の手前には、私の筋張った太腿があった。その奥にある肉のドアの存在を思うと、水色のチェックのスカートが眩暈でぼやけた。

将来に繋がる恋。本当にそれが「本当の恋」なのだろうか。一時的な発情のほうがずっと純粋で、生活を共にする二人にとって、「恋」は只の麻酔なのではないだろうか。

と主人公の嫌悪感に満ちた感情が生々しく描かれていて心を抉られます。

想像の向こう側へ向かうラスト

高校生になると恵奈は浩平という彼氏が出来夏休み限定で同棲をすることに。

子どもの頃から本当の家族を夢見ていた恵奈は喜びますが…ここで気付きます。

この人、私でカゾクヨナニーをしている!

ここからはラストに向かって一直線、村田さんの紡ぐ言葉にボッコボコにされます。
そして家族という概念すらもボッコボコにしてしまいます。

僕は圧倒されると同時に声を出して笑いました。

凄い。この人やっぱり面白いですw

是非皆さんにも読んで頂きたい。想像のつかない所まで飛ばされてしまいます。

まとめ

序盤は家族に愛されたことのない可哀想な主人公が描かれる作品なのかな?と思っていましたがその考えは終盤で一気に覆されました。

人が変える場所とは?というテーマに対しての村田さんの独特なアプローチに思わず唖然としてしまいます。

そして読後は村田さんは面白いということ、そして純文学は面白いということを再確認し、もっと村田さんの紡ぐ言葉に触れてみたくなりました。

個人的にはコンビニ人間よりも面白かったです。
これを機に村田さんの作品を読み漁りたいと思います。

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